最近増えている「悪質なM&A」──その実態と、当社の防止への取り組み

【更新日】 2025年7月5日(土) M&A・事業承継 社長夫人の講座
後継者不在や事業継続の課題を背景に、M&A(企業の合併・買収)を選択する中小企業が増えています。しかしその一方で、買収後に会社が破綻したり、従業員が切り捨てられるといった「悪質M&A」も少なくありません。この記事では、実際に起きている問題と、私たちがそれを未然に防ぐための取り組みについて紹介します。
(1)悪質なM&Aの典型的な手口
 1. 資産目当ての買収
 価値のある不動産や預貯金を持つ会社を買収し、資産を取り崩した後に会社を清算。
 2. 社員切り捨て型
 買収後すぐにコストカットの名目で社員を解雇し、人件費を削減した上で会社を転売。
 3. 情報非開示による強引な買収
 M&Aの交渉段階で本当の意図を隠し、「成長支援」などの名目で近づき、実際には搾取目的。
(2)最近の実例
•    A社の事例(製造業/関西)
 後継者不足でM&Aを実行。買収企業が入ってきた直後に全社員の契約解除。知的財産のみが親会社に吸収され、半年後に清算。
•    B社の事例(IT/東京)
 買収後、給与の遅延・未払いが続出し、従業員が集団退職。買収元企業は複数の類似案件でも同様の問題を起こしていた。
(3)なぜ防げないのか?】
•    買収側の資本力や交渉力に対して、売却側が情報弱者となる構造
•    M&A仲介業者が利益優先で「買い手の質」を見極めずに紹介
•    買収後のフォローや監視制度が極めて弱い

(4)当社の取り組み – 安心できるM&Aのために
私たちは、M&A支援の専門会社として、こうした“悪質な買収”によるトラブルが起こらないよう、以下の取り組みを徹底しています。
•    買収希望企業の事前審査
 財務・人事・過去のM&A実績・親会社やファンドの経歴まで多角的に調査を行い、「信頼できる買収者かどうか」を厳しくチェックしています。
•    独自のスクリーニング基準
 雇用維持・事業継続の意志が確認できる企業のみを紹介。表面的な条件だけでマッチングは行いません。
•    売却企業への情報提供
 買収先の意図やリスクも含めた情報を包み隠さず提供し、売却側が冷静な判断を下せるよう支援します。
•    成約後のフォロー体制
 譲渡後のトラブル防止のため、一定期間のフォローアップを実施しています。
これらのプロセスを通じて、トラブルや不幸なM&Aが生まれないよう最大限の努力を重ねています。