相続財産の調査方法

【更新日】 2025年6月24日(火) 相続 不動産
「両親が亡くなり、子どもは3人。
しかし、長男が相続財産を一人で管理していて、どれだけの財産があるのか分からない…」。

実際にこうしたご相談を受けることは少なくありません。兄弟姉妹間でのトラブルを未然に防ぐためにも、今回は相続財産が隠されているかもしれないときの調査方法について詳しくご紹介します。

1. 事前の情報収集
相続財産の調査を進めるためには、可能な範囲で情報を収集することが重要です。
•    通帳やキャッシュカードの履歴確認
•    不動産の登記情報の確認
•    証券口座や生命保険契約の有無
•    貸金庫の存在の確認

2. 金融機関への照会
法定相続人であれば、故人の銀行口座の取引履歴を金融機関に請求できます。
•    必要書類:戸籍謄本、故人の除籍謄本、相続人であることを証明する書類
•    調査対象:預貯金、証券口座、貸金庫の有無
•    口座解約済みでも取引履歴の確認が可能

3. 法務局で不動産を調査
不動産の所有状況は**「登記事項証明書」**で確認できます。
•    調査方法:法務局で「名寄帳」や「登記事項証明書」を請求
•    確認ポイント:両親名義の不動産の有無、過去の売却履歴の確認

4. 証券会社・保険会社の調査
•    証券会社に故人の取引履歴を問い合わせる
•    生命保険協会(生命保険契約照会制度)を利用し、契約の有無を確認

5. 長男が財産を隠している場合の法的手段
(1) 相続財産の開示請求
相続人である以上、財産の開示を求める権利があります。弁護士を通じて開示を要求するのが効果的です。
(2) 遺産分割調停の申し立て
家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立て、長男に財産を明らかにするよう求めます。
(3) 不当利得返還請求・遺産横領の主張
長男が意図的に財産を隠していた場合、「不当利得返還請求」や「遺産横領」として法的に追及することも可能です。

6. 専門家への相談をおすすめします
相続は感情的な対立を生みやすい問題です。トラブルを避けるためにも、弁護士や司法書士、税理士といった専門家への相談を早めに行うことをおすすめします。
※専門家に知り合いがいないという場合、弊社ではこのような専門家を集めた一般社団法人の事務局を務めています。無料でご紹介が出来ますので、お気軽にお問い合わせください。

【まとめ】泣き寝入りしないために、できることを一歩ずつ
相続に関する疑問や不安は、早期の行動がトラブル回避につながります。「なんとなくおかしいな」と思ったら、今回ご紹介した調査方法を参考にして、情報を集めてみてください。
そして必要に応じて、法律の専門家の力も借りながら、公平で納得のいく相続を目指しましょう。