私的整理の弁護士・税理士・アドバイザーの役割|事業を守る専門家チームの選び方

【更新日】 2026年8月27日(木) 私的整理 M&A・事業承継
私的整理の弁護士・税理士・アドバイザーの役割|事業を守る専門家チームの選び方

「私的整理を進めたいが、まずは顧問税理士に頼めばいいのか?」 「弁護士やM&A仲介に相談したら、破産や買い叩きを勧められないか?」

中小企業再生ガイドラインに基づく私的整理や第二会社方式を成功させるためには、法務・財務・税務・銀行交渉に加え、事業の引き継ぎ先(スポンサー)を見つけるM&A実務が密接に絡み合います。

相談する専門家の得意分野や役割分担を誤ると、本来なら残せたはずの中核事業や従業員の雇用まで失ってしまうことになりかねません。

私的整理を円滑に進め、事業と雇用を守り抜くために不可欠な「各専門家の役割」と「失敗しないチーム体制」について解説します。

1. なぜ「いつもの顧問税理士」や「一般的な弁護士・M&A仲介」単独では難しいのか?

既存の相談窓口や大手仲介会社単独では、再生局面の特殊なハードルを越えられないケースが大半です。

顧問税理士の限界
日々の記帳や税務申告の専門家であり、金融機関との債権放棄交渉、詐害行為リスクの排除、事業譲渡スキームの設計といった「危機時の再生法務」には不慣れなのが一般的です。

一般的な法律事務所(弁護士)の限界
倒産実務を扱う弁護士の多くは「破産管財人」や「裁判所の自己破産手続き」が主業務です。手間と交渉力が求められる私的整理(事業継続)を避け、「破産して清算しましょう」と誘導されがちです。

一般的なM&A仲介会社の限界
手数料ビジネスであるため、過剰債務や赤字を抱えた「再生型M&A」は敬遠されるか、銀行交渉や旧会社清算のフォローまでは対応してくれません。

私的整理を成功させるには、事業再生を専門とする複数の専門家がワンチームで機能する必要があります。

2. 私的整理を成功させる「4つの専門家」の役割分担

私的整理・第二会社方式では、各分野のエキスパートが以下のように連携してスキームを完結させます。

① 再生アドバイザー(公認会計士・再生コンサルタント)
役割:全体の事業再生計画(実抜計画)の策定、財務デューデリジェンス(事業・資産の適正価値算定)、新旧会社のスキーム設計。
現場での動き:収支改善シミュレーションを作成し、バンクミーティングで銀行団が納得する経済合理性(破産させるより回収できる根拠)を数字で裏付けます。

②M&Aアドバイザー(スポンサー探索・事業承継実務)
役割:買い手(外部スポンサー企業)の探索・選定、企業価値評価、条件交渉、事業譲渡プロセスの統括。
現場での動き:赤字や債務超過であっても事業の強み(技術・顧客・人材)を評価してくれる最適な買い手を見つけ出し、事業と雇用の確実な引き継ぎを実現します。

③再生専門弁護士
役割:法的な権利調整、事業譲渡契約書の作成・リーガルチェック、詐害行為取消リスクの完全排除、旧会社の適法な清算手続き。
現場での動き:取引先や金融機関からの訴訟リスクを遮断し、事業を安全に新会社・買い手へ移転させた上で、抜け殻となった旧会社を特別清算や破産等で法的に処理します。

④税理士(再生税務に強い税理士・顧問税理士連携)
役割:事業譲渡に伴う消費税・法人税の試算、債権放棄に伴う「債務免除益課税」の回避・税務特例の適用。
現場での動き:事業譲渡や債務免除によって想定外の追徴課税が発生しないよう、再生税法上の優遇措置を漏れなく活用します。

3. 各専門家の連携体制イメージ
私的整理プロジェクトチームの体制と役割分担
再生アドバイザー
(公認会計士/コンサル)
M&Aアドバイザー
(スポンサー探索・仲介)
再生専門弁護士
(法務統括・適法整理)
税務の専門家
(再生税務・税理士)
・事業再生計画の策定
・資産・事業DD(適正価値評価)
・バンクミーティング・銀行合意形成
・買い手企業・スポンサーの探索
・市場需要の検証(客観的証明)
・雇用承継条件の調整
・事業譲渡契約書の作成・締結
・法的リスク(詐害行為等)の完全遮断
・旧会社の適法清算(特別清算等)
・債務免除益課税の対策・整理
・税務特例(期限切れ欠損金等)の適用
・第二次納税義務の発生回避
 参画する専門家はすべて私的整理の現場を熟知したエキスパートであり、金融機関交渉から事業譲渡スキームの構築、旧会社の適法な整理までワンストップで事業と雇用を守り抜きます。        
        
※組織体制の詳細は、一般社団法人経営戦略共創会議|概要 をご覧ください。        
    
 正しい専門家チームの選択が会社の未来を決める        
        
私的整理は、適切な専門家チームを味方につけることさえできれば、過剰債務を切り離して事業・技術・従業員を守り抜くことができる極めて有効な手法です。        
        
「もう破産しかない」と一人で思い詰める前に、事業再生の現場を知り尽くした専門家チームへご相談ください。        
        
【この記事の執筆・監修】        
北野 明信 | 事業再生アドバイザー / M&Aアドバイザー        
大阪・兵庫・奈良など関西圏を中心に、地場製造業・老舗企業の事業再生(第二会社方式)やM&Aを支援。弁護士・税理士と連携し、経営者の生活と雇用を守る「適法な私的整理」を専門としています。        
        
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