相談から再生完了までのスケジュールと費用感|私的整理・第二会社方式の全工程
「私的整理や第二会社方式を始めると、完了までにどれくらいの期間がかかるのか?」
「資金繰りが限界に達している中で、専門家への費用を工面できるのだろうか?」
過剰債務から事業や雇用を守る再建スキームを検討する際、経営者が最も不安に感じるのが「期間」と「費用」です。
私的整理は、裁判所を通す法的手続き(民事再生等)と比べて手続きがスピーディーであり、費用も会社の状況に合わせて柔軟に設計できる点が大きな特徴です。
初回相談から新会社での事業再スタート、旧会社の清算完了までの標準的なスケジュールと費用の目安について解説します。
1. 相談から再生完了までの標準スケジュール(全体で約3〜6ヶ月)
一般的な私的整理・第二会社方式は、以下の6つのステップで進みます。
【1ヶ月目前半】 ステップ1:初回相談・現状分析(スキーム方針の策定)
│
【1ヶ月目後半】 ステップ2:市場探索(M&A需要検証・外部打診)
│
【2ヶ月目】 ステップ3:資産評定(財務DD)・再生計画案策定・新会社準備
│
【3ヶ月目】 ステップ4:返済一時停止要請・バンクミーティング(全行協議)
│
【4ヶ月目】 ステップ5:全行合意・事業譲渡(第二会社への承継完了)
│
【5〜6ヶ月目】 ステップ6:旧会社の適法清算(特別清算等)
ステップ1:初回相談・現状分析(1〜2週間)
決算書、資金繰り表、借入明細、担保状況などを確認し、私的整理の実現可能性を診断。会社の実態に合わせて「外部M&A」か「第二会社方式(内部承継)」か基本方針を選定します。
ステップ2:市場探索(M&A需要検証)(2〜3週間)
M&Aアドバイザーを通じて、同業他社やスポンサー候補へノンネーム(匿名)で打診を実施。事業の市場価値を検証し、外部買い手がつかない場合は「清算価値ベースで第二会社方式へ進む客観的根拠」を確立します。
ステップ3:資産評定・再生計画策定(約1ヶ月)
公認会計士等が事業・資産の適正価値(財務DD)を算定し、詐害行為にならない適正譲渡対価を確定。あわせて新会社の収支計画を作成します。
ステップ4:返済の一時停止・バンクミーティング(約1ヶ月)
取引金融機関へ元本・利息の「一時停止要請書」を提出して資金流出をストップ。全行を集めた債権者会議で計画を提示します。
ステップ5:全行合意・事業譲渡の実行(約1ヶ月)
全金融機関の同意を取り付けた上で事業譲渡契約を締結。従業員の転籍や取引先との契約巻き直しを行い、新体制でスタートします。
ステップ6:旧会社の適法清算(約2〜3ヶ月)
事業譲渡代金を各金融機関へ配当・弁済後、残った旧会社を弁護士主導で特別清算等により法的にクリーン処理します。
2. 私的整理・第二会社方式の「費用感」と項目一覧
費用の目安と実務上の支払方法は以下の通りです。
| 項目 |
内容・役割 |
費用の目安と支払方法 |
| 初回相談・診断 |
現状分析、再生可能性の判定、最適スキーム(外部M&Aか第二会社方式か)の選定 |
無料 |
| 市場探索(買い手探索・需要検証) |
匿名(ノンネーム)での買い手候補探索、事業価値・市場需要の有無の検証、外部売却困難性の証明記録作成 |
30万〜100万円前後
(※実務費用として先行発生) |
| 財務DD・計画策定 |
資産評定、適正譲渡価格算定(清算価値・のれん代の評価)、実抜計画書作成 |
100万〜250万円前後
(※整理資金から充当できる可能性あり) |
| 法務・契約・清算 |
詐害行為対策、事業譲渡契約書の作成・締結、旧会社の適法清算(特別清算・破産等) |
150万〜300万円前後
(※整理資金から充当できる可能性あり) |
| 成功報酬 |
バンクミーティング統括、金融機関の全行合意成立、事業承継完了時 |
案件規模に応じた設計
(※事業譲渡代金等から充当できる可能性あり) |
※公的機関(中小企業活性化協議会等)の枠組みを活用する場合、国からの専門家費用補助(費用の最大2/3補助)を受けられる場合があります。
3. 資金繰りが厳しい場合の専門家費用の捻出方法
「手元にまとまった現金がないから依頼できない」と諦める必要はありません。実務上は以下のような柔軟な手当てを行います。
事業譲渡代金や旧会社資産からの充当(可能性あり)
財務DDや清算手続きに伴う士業費用は、案件のスキームや金融機関との合意により、「事業譲渡代金」「回収された売掛金」「旧会社の換価資産」といった整理資金の中から手続費用として優先的に清算できるケースがあります。
「返済の一時停止」によるキャッシュの確保
専門家が介入して金融機関への返済を一時ストップさせることで、毎月の返済資金を手元に残し、事業運営や手続費用に充当します。
着手金・報酬の分割払い対応
再生プロセスの進捗に合わせた分割支払いに応じている専門家チームが一般的です。
4. ワンストップの専門家連携チームを選ぶメリット
弁護士、公認会計士、税理士、M&Aアドバイザーを個別に探して依頼すると、着手金が二重三重にかかるだけでなく、意見調整に時間がかかって手続きが遅れてしまいます。
最初から連携の取れたチームに依頼することが、費用を最も抑え、最短で事業を守り抜くポイントです。
【私的整理のエキスパート集団による支援体制】
当社では、私的整理・事業再生の実務に精通した弁護士や専門家を結集した「一般社団法人経営戦略共創会議」と連携し、支援を行っております。
参画する専門家はすべて私的整理の現場を熟知したエキスパートであり、金融機関交渉から事業譲渡スキームの構築、旧会社の適法な整理までワンストップで事業と雇用を守り抜きます。
※組織体制の詳細は、
一般社団法人経営戦略共創会議|概要 をご覧ください。
手元資金が尽きる前の「早期着手」が費用を抑えるカギ
私的整理にかかる費用や期間は、手元のキャッシュが残っている早い段階に着手するほど選択肢が広がり、負担も軽減されます。
口座凍結や競売開始決定まで追い詰められる前に、まずは無料相談にて再生までの道筋と概算費用をご確認ください。
【この記事の執筆・監修】
北野 明信 | 事業再生アドバイザー / M&Aアドバイザー
大阪・兵庫・奈良など関西圏を中心に、地場製造業・老舗企業の事業再生(第二会社方式)やM&Aを支援。弁護士・税理士と連携し、経営者の生活と雇用を守る「適法な私的整理」を専門としています。
■ 資金繰り・事業の引き継ぎに関するご相談窓口
「まだ具体的な計画はないが、今後の選択肢を知りたい」「差押えの不安がある」といった初期段階のご相談も歓迎しております。
初回のご状況確認は無料・秘密厳守にて承ります。