第3回「第二会社方式」は怪しくない?詐欺と言われないための境界線
【第3回】「第二会社方式」は怪しくない?詐欺と言われないための境界線
過剰債務に苦しむ経営者様から「良い事業だけを別会社に移して、借金だけを古い会社に残して潰す『第二会社方式』は、財産隠しや詐欺で訴えられないか?」というご不安をよく伺います。
結論から申し上げますと、第二会社方式は国も認めている正当な再生手続きです。ただし、進め方を一歩間違えると、本当に銀行から訴えられるリスク(詐害行為)を孕んでいます。
今回は、合法的な手続きと違法な財産隠しを分ける「決定的な境界線」を分かりやすく解説します。
■ 違法になってしまうケースとは?
銀行への返済から逃れるためだけに、以下のような強引な進め方をすると、違法とみなされる可能性が極めて高くなります。
事業を「タダ(無償)」または「不当に安い価格」で身内に譲渡する
銀行への説明や合意を一切なく、秘密裏に会社を分ける
これは客観的に見て、銀行から回収できるはずだった財産を不当に隠した(奪った)と判断されるため、契約の取り消しや損害賠償を請求される原因になります。
■ 合法的な「境界線」は『経済合理性』があるかどうか
第二会社方式を安全かつ正攻法で進めるための絶対条件は、銀行などの金融機関に対して「経済合理性」を証明し、納得してもらうことです。
経済合理性とは、簡単に言えば以下の状態を指します。
1. 事業を「適正な価格(時価)」で買い取る 営業権(のれん)や店舗設備、ECサイトのアカウントなどを、専門家が算出した正しい価値で新会社が買い取ります。
2. 銀行にとっても「得になる」計画を示す 「このまま古い会社ごと倒産(破産)すれば、銀行への回収額はゼロです。しかし、良い事業を新会社に移して対価を支払えば、そのお金からこれだけの返済(回収)ができます」という、破産させるよりもメリットのある計画を提示します。
法的、財務的に一切の落ち度がない計画をオープンに提示し、金融機関と誠実に合意形成を図るからこそ、合法的に大切な事業と雇用を守り抜くことができるのです。
■ 専門家の確かな「後ろ盾」を持って進める
第二会社方式は、決して怪しい「夜逃げの手口」ではありません。残すべき事業を未来へつなぐための、極めて高度で公的な事業再生スキルです。
だからこそ、金融機関から「財産隠しだ」と言われないよう、実務を熟知した専門家の確かな「後ろ盾」を持って、ルールに則ってクリーンに進めることが何よりも重要になります。
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